ハードな仕事で精神的に疲れたり…
夜勤はダイエットの敵!?不規則な看護師の夜勤明けのベストなご飯(食事)は?
公開日:2021/9/29
最終更新日:2023/6/27
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看護師は不規則な交代勤務のため、日によって食事の時間がバラバラです。とくに夜勤の日は、手早く食べられるものを選んだり、甘いお菓子が食べたくなったりと栄養バランスも乱れがちに…。今回は「夜勤日の食事、みんなどうしてるの?」という疑問にお答えします。
目次
夜勤はダイエットの敵?!太りやすい「魔の時間帯」とは
夜勤中に、ついついお菓子をつまんでしまうことはありませんか?もしくは、緊急入院や急変などで休憩が取れず、遅い時間にようやく食事…ということもあるでしょう。じつは、食べると確実に脂肪を蓄積させる「魔の時間帯」があるんです。
肥満遺伝子「Bmal1」と夜食の関係
私たちの身体には「Bmal1(ビーマルワン)」と呼ばれる遺伝子の一種があります。これは別名「肥満遺伝子」とも呼ばれ、午後10時から翌朝6時までの時間帯に活性化し、脂肪を溜め込む作用があります。
体温や睡眠が体内時計の影響を受けるのと同様に、エネルギー代謝にも日内変動があり、夜は身体を休めてエネルギーを溜め込む時間です。そのため、本来寝ているはずの午後10時〜午前6時頃はBmal1が活性化すると考えられています。
午後10時から午前2時は一番太りやすい時間帯
Bmal1活性のピークは夜中の2時頃なので、この時間帯に夜食、特に甘いものを摂るのは極力避けたほうがよいでしょう。それほどたくさん食べているわけではないのに、夜勤が続くと太るという方は食事の時間や食事の内容を見直した方がいいかもしれません。
できれば午後8時頃までに栄養バランスの整った食事をしっかり摂ります。必要な栄養をしっかりと補給しておくことで、夜中にお腹が空くことのないようにしてください。
夜勤日の理想的な食事とは?
夜勤の日は、どうしても食事の時間にズレが生じます。いつもより遅めに起きて、昼過ぎにその日初めての食事をするという方も多いでしょう。さらに夜勤に入れば、希望の時間に食事休憩が取れないことも…。ここでは夜勤の日の理想的な食事の摂り方ついてご紹介します。
夜勤前
夜勤の日、たとえばお昼ごろに起床したとします。普通の生活リズムで考えれば「朝食を兼ねたブランチ」ということになりますが、夜勤日の場合はそれを「朝食」と考えます。
基本は主食(炭水化物)、主菜(タンパク質・脂質)、副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)をバランスよく摂ります。起床後は食事があまり進まないという方も、活動のエネルギー源となる炭水化物やタンパク質を補給するために朝食は必ず摂るようにしましょう。たまごサンド・具入りのおにぎり・ヨーグルトなど起き抜けでも食べやすいものを準備するのがおすすめです。
夜勤中
夜勤に入り、休憩時間に摂る食事は「昼食」と考えます。ここでしっかり食べておかないと、真夜中にお腹が空いてお菓子に手が伸びる…ということになります。
しかし、食べ過ぎは禁物です。ご飯や麺などの炭水化物を摂りすぎると疲労や眠気につながるため、肉、魚、乳製品などのタンパク質を中心に摂るようにしましょう。とくにコンビニのおにぎりやパンといった「単品メニュー」は手軽に購入できて、食事に時間がかからないのは良いのですが、炭水化物に偏りほかの栄養素が不足しがちです。メインのおかずでタンパク質を、サラダや汁物でビタミン・ミネラルをバランスよく取り入れてください。煮物やおでんは消化も良くおすすめです。
食べる時間があまり確保できないという方は、少量で栄養価の高いもの(たまごやハムのサンドウィッチ、チーズ、ヨーグルトなど)を準備するとよいでしょう。
夜勤明け
夜勤明けの食事は「夕食」と考えます。夜勤明け、疲れ果てて「すぐに寝てしまいたい」というときは、食事を摂らずに早めに休みましょう。寝る前に少し食べるのであれば、味噌汁・サラダ・果物など軽めのものがおすすめです。そして昼前には再び起きて、食事をしっかり摂りましょう。時間帯は昼間ですが、「夕食」にあたる食事なので炭水化物や脂質は控えめにし、食欲がなければ無理に摂る必要はありません。
夜勤明けは、乱れた体内時計をリセットするためにも日中はなるべく起きておき、夜は早めに寝るのが良いとされています。就寝時間から逆算して、2時前には食事を済ませておくようにしましょう。
不規則勤務でも理想の食生活に近づけよう
すべての職業において言えることですが、仕事をする上での基本は心身を健康に保つことです。看護師のように不規則な勤務の場合、夜勤が原因で生活の質が低下したり、健康を害したりすることがあってはいけません。食事の摂り方や食べる時間帯を工夫して、理想の食生活に近づけるように心がけましょう。
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この記事を書いた人遠藤愛(えんどうあい)
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関東の病院で外科・内科・地域包括ケア病棟、地域連携室に勤務。
その後、介護施設、訪問看護に従事。看護学校での外科看護臨時講師の経験あり。