「土日休みは夢のまた夢」…なん…
看護師の仕事がきつい理由は?夜勤?訪問看護?施設・診療科別のメリット・デメリット!
公開日:2021/9/29
最終更新日:2023/11/7
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あなたにとって仕事で一番きついことは何ですか?「師長や先輩とそりが合わなくてきつい」、「医療行為の責任が大きすぎて、精神的にきつい」などの精神的な理由から、「夜勤のせいで生活リズムが乱れる」「時間外が多すぎる」等の肉体的な理由に至るまで、人によってきついと思う原因は様々です。きつい中にも目的を持って働く事できていますか?もう少し楽に働けたら…と思ったことはありませんか?皆さんの中には「どこの職場も同じ」「楽な仕事は存在しない!」そういった意見を持っている方もいらっしゃると思います。確かにどの病院・施設・診療科に移ってもそれぞれに大変な要素は必ずあります。
しかし、あなたが今どんなことにストレスを感じているのかを整理し、あなたにとっての「楽な職場」を探すことは可能です。この記事では、きつい職場でこのまま働き続けることに不安を抱いている人や、楽な職場があれば進んで転職しようと考えている人に向けて、各施設・診療科別に働き方の特徴をお伝えします。無理して頑張り続けず、楽に働ける職場、探してみてはいかがでしょうか?
1. 仕事のココがきつい!看護師の声
看護師の皆さんの声から、看護師業務できつく感じる事とその原因、それによって引き起こされる症状をまとめてみました。あなたにも当てはまるものはありませんか?
もし該当するものがあり悩んでいるのなら、他にもっと楽な職場があるかもしれません。
どの職場が合うのかを明確にするためにも、まずは自分がどれに該当するのか、この章で確認してみてください!
労働時間編
「夜勤がきつい」
生活リズムが乱されてしまうため、中々きついのが夜勤。
慣れてきて夜勤入りの前後の過ごし方が確立されたとしても、年を重ねれば重ねる程疲れが取れにくくなってしまうのが正直なところですよね!家庭を持っていたりすると家事との両立が必要なため、なおさらです。
・不規則な生活による倦怠感
・生活リズムの乱れによる頭痛
「早出・残業は当たり前」
人手不足の病院・クリニックであればよくある事です。長時間労働が続くと体への負担も大きくなってしまいます。また、特にサービス残業が存在する事業所もいくつか見られており、それに不満を抱えている方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
・長時間の立ちっぱなしによる腰痛
・サービス残業によるストレス
・ハードワークによる体調悪化
「休日出勤」
こちらも人手不足の病院であればよくある事です。また場所によっては休日を利用してカンファレンスや勉強会に出席しなければいけない所もありますよね。成長志向が強い方であればプラスかもしれませんが皆が皆それを求めているかと言ったらそんな事はありません。自分の時間が無くなってしまい困っている人、いらっしゃいませんか?
・ストレスの溜め込みによる精神悪化
・休日返上による疲労
業務内容編
「仕事内容が多過ぎる」
仕事量に対し、看護師数が不足していれば仕事量は増えてしまうのは当たり前の事です。
もしあなたが、手術件数が多いこと、ナースコールが多いこと、事務作業が多い事などを、助けられる患者さんの数が増えるとポジティブに捉えられるのか、それともきついと感じるのか、感じ方によってあなたがその職場に向いているのかどうかが見極められるでしょう。
・ストレスの溜め込みによる精神悪化
・活動量の増加による疲労
「求められるスキルが高い」
医療機関によって求められるスキルは様々です。求められるスキルが高いという点でいうと、急性期病院がそこに当てはまります。特に大学病院や高度救急救命センターなどで働く人には、患者の状態を的確に判断し、スピーディーに優先順位をつけて対応する力が求められます。高度な医療に携わることによる大きな責任を、やりがいに感じることができれば良いのですが、それを辛く感じてしまう人がいる事も間違いありません。あなたの感情に向き合って考えてみてください。もし辛いのならば他の職場を選ぶことも一つの選択肢かもしれません。
・責任過多による不安感、情緒疲労
・失敗による自信喪失
【施設別】他の職場で働く
看護師の働く場所って色々ありますよね。あるという事は分かっていても各施設に関して、業務内容や違いまでは知らないという方、沢山いるのではないでしょうか?人によっては施設を変えてみる事で大変さが大きく変わることがあります。今回は施設によって忙しさってどのくらい変わるのか、漠然と楽かもしれないと思っていた施設に関しても、どの部分が楽になるのかを紹介します。あなたにとっての楽な職場はどこなのでしょう?
今回は比較的働きやすいと言われている施設を4つピックアップしてみました。
【クリニック】
楽になる点は?
- ワークライフバランスの確保
勤務時間が日中に限られている事や、土日勤務があるとしても昼だけというクリニックがほとんどで、不規則な生活になる心配はありません。特に入院患者もいないため、オンコールもありません。 - 医療行為の失敗リスクが少ない
外来業務であることから、基本的に患者さんの急変の対応はありません。また、一般病棟に比べ、業務範囲が限定的である場合が多いため、覚えておくべき看護知識も限られ、ミスの可能性もミスによる影響も少ないです。
注意する点は?
- 休みの融通が利きにくい
一般病院に比べると規模が小さいため、欠員が出る事は業務に対し、大きなダメージを与えます。そのため、急な予定が入った際にシフトを調整することが難しいというのがクリニックの大きなネックです。 - 人間関係が影響しやすい
小規模であればあるほど、院長先生との関係や同僚看護師との関わりが増えるため、良くも悪くも人間関係が大きな影響を与えます。
【老人福祉施設(デイサービスセンター、老人ホーム、介護支援センターなど)】
楽になる点は?
- 精神的負担の軽減
主な仕事が日々の健康チェックと服薬の管理になるため、高度な医療処置を求められる機会は多くはありません。また、患者さんにゆったりと寄り添った看護ができる事も大きな特徴の一つです。 - ルーチンワークが多い
慢性期病棟に近いです。利用者数は多くても、患者さんの流動性は少ないため、入職のタイミングで覚えるべきことを頭に入れたら、その後は覚えなければいけない事も、そこまで増えないでしょう。
注意する点は?
- スキルアップが難しい
介護職の方と連携して仕事をすることが多く、介護のスキルは伸ばせますが、医療行為が少ないため、看護師としてのスキルアップを図ることは難しくなります。 - オンコール対応や入浴介助が必要な施設も
基本的には夜勤はないものの、施設によってはオンコール対応や入浴介助が必要な施設もあります。この2つがあるかどうかによって肉体的な負担が大きく変わるため、求人内容はしっかり確認しましょう。
【訪問看護ステーション】
楽になる点は?
- 働き方を自分に合わせやすい
訪問する件数を調整することで、働き方を選べるのが訪問看護の大きな強みです。週3勤務、午前中だけ働くなど、自身のライフスタイルに合わせた働き方をしやすい事が大きな特徴です。 - 対象患者が少ない
病棟では、一日に多くの患者さんと関わらなければいけませんが、訪問看護ではそんなことはありません。看護にあたる患者さんの数は一日あたり4~5件です。そのため、比較的落ち着いた状態で業務に取り組むことができます。特に患者さんやご家族とコミュニケーションを深めたいという方にもおすすめの職場です。
注意する点は?
- 担当患者さん・ご家族との関係
担当の患者さんやご家族とコミュニケーションを取る機会が多いがゆえに、以前の担当看護師と比較されることなどもあるようです。関わりが深いため、良好な関係が築けない場合は精神的にきつくなってしまうこともあるかもしれません。 - 事務作業が多い
訪問看護の場合は、看護記録や業務管理などパソコンで行う事務作業が多くなります。パソコンに慣れてない方は少し大変かもしれません。
【保育園】
楽になる点は?
- 医療行為がほとんどない
保育園での看護師の主な仕事は、園児の健康管理です。けがの対応や健康診断・歯科検診での補助・保険便りの作成などが主要業務になります。病院はもちろん、クリニック勤務などと比べても、医療行為におけるリスクが少ないことが特徴です。 - ワークライフバランスの確保
基本的に勤務時間が保育園の開園時間に依存するため、残業時間が少なく、土日休みが取得しやすいというメリットがあります。特に子育て中の看護師さんにはぴったりな職場です。
注意する点は?
- 保護者対応
保育園で働く場合は、急病の際、園児の保護者とコミュニケーションを取る必要があります。
場合によってはクレームを受ける事や、体調不良時の引き取り拒否が起こるなどの問題もあるようです。 - 給与が少ない
リスクが少ない分、一般的な看護師に比べると給与が下がってしまいます。
おおよそ月収20~30万、年収300~400万と言われています。
3.【診療科別】他の職場で働く
ここまで施設別で楽な職場を探してきました。皆さんの中には、施設形態は変えるつもりはないけど診療科だったら変えてみようかなと思っている方もいるのではないでしょうか?これからは、診療科によって忙しさにどのような違いがあるのか、何が楽になるのかを確認していきます。診療科の中でも、比較的働きやすいと言われている4つの診療科をピックアップしてみました。あなたに合う診療科はどこなのか、ぜひ考えてみてください!
【精神科】
楽になる点は?
- 業務負担が少ない
急性期病棟でなければ基本的に残業はありません。また、患者さんの多くが自立しているため、体力を使う業務が少ないという理由があります。 - 同僚看護師との人間関係が良い
精神科で勤務する場合、対人関係が重要な職場であるため基本的にコミュニケーションが得意な看護師が集まりやすいです。また患者さんの症状を考慮し、看護師間の連携が他の職場に比べると、より必要になってくるため、結束が生まれやすく良好な関係性を築きやすい職場であるといえます。
注意する点は?
- 患者さんからの暴力リスク
精神科に入院する患者さんは、妄想状態に陥った際に暴力をふるってしまう可能性があります。暴力リスクの高い患者さんに対しては、二人で対応するなどの対処はしているものの、リスクは排除できないという点は考慮に入れておいた方が良いでしょう。 - 患者さんの自殺・自傷行為
こちらも患者さんの特性上避けられない部分です。自傷行為をしている姿などを見たときに精神的にストレスが溜まってしまうような方は安易に選択することは避けましょう。
【眼科】
楽になる点は?
- 肉体的な負担が少ない
勤務先によりますが、ほとんどの職場に夜勤がありません。また患者さんは基本的に身体が健康なため、力仕事などはほぼ必要ありません。 - 心理的なプレッシャーが少ない
眼科の患者さんの場合、命の危機にある方はほとんどいないため、医療行為に対するプレッシャーは少ないことが特徴です。
注意する点は?
- 業務量が多い
医師の診察介助や患者さんの対応からカルテ出し、検査の介助など業務内容が多岐に渡ります。手術を行っている場合は手術の介助も必要になるなど、仕事量には苦戦するかもしれません。
目に関する知識はもちろん、特殊な機械の使い方など初めのうちに頭に入れなければいけない事が沢山あります。また、ここで得た知識は他の診療科だと使わない事が多いのも一つの懸念点です。
【整形外科】
楽になる点は?
- 精神的負担が少ない
重篤患者を抱える事はほぼないので、命に関わる医療に携わることはほぼないと言ってよいでしょう。患者さんのほとんどは、患部以外はだいたい元気なので、精神的にはかなり楽です。 - 人間関係が良い
移動介助やリハビリなど、直接的に人と継続的に関わる事が多いため、コミュニケーションが得意な明るい看護師が多いです。そのため、明るく働きたい看護師にとっては合っている職場と言えるでしょう。
注意する点は?
- 肉体労働が多い
患者さんを移動させる・支える事が多いため、肉体疲労がとても多いことが整形外科の特徴です。腰が弱い人や体力に自信がない人には不向きかもしれません。
【皮膚科】
楽になる点は?
- 精神的負担が少ない
命に関わるような重症患者がほとんどいない事はもちろん、処置も塗布作業が多く比較的簡単なため、精神的にはとても楽な職場と言えるでしょう。 - ワークライフバランスの確保
大きな病院でも外来がメインのため、一般的な皮膚科であれば日勤のみです。家事・育児との両立を図りたい人に向いている職場です。
注意する点は?
- 駆け込み患者が多い傾向
皮膚科を受診する患者さんには、突発的なやけどやかぶれなどの症状が理由の方が沢山います。そのため、他の診療科に比べると閉院時間を過ぎてから駆け込みで受診する患者さんが多い傾向にあり、業務終了時刻が伸びる可能性があります。
4. まとめ
各職場の特徴、いかがでしたか。どの職場も一長一短、すべての条件を満たす職場を見つけるのは至難の業です。だからこそ、今何を優先して変えていきたいのか、改めて考えてみましょう。
また、「“現状のきつい点”と反対の職場」のみを条件にしてしまうと、ミスマッチが起こることもあり得ます。「きっとこんな職場だろう」という思い込みは禁物、実際に足を運んで働く人を見てみたり、問い合わせて雰囲気を伺ったりと、密な情報収集を心掛けてくださいね!
さて、あなたは今の職場のどこに大変さを感じていたのか、そしてどういった職場が自分にとって楽な職場なのか見えてきましたか?
記事を読んでみて、あなたが魅力を感じた職場はどこでしたか?
また、読んでいく中で実際にはここが違う!という事があればぜひ教えてください!