富山県では高齢化が進展し、多様化する医療ニーズに対応するため、質の高い医療を受けられる体制の整備を進めています。医療サービスの選択に必要な情報提供や切れ目のない在宅医療体制の確保など、さまざまな施策・取り組みを実施しています。
例えば、医療情報の共有化の推進を行っており、県内の医療連携ネットワークは「新・扇状地ネット」「たてやまネット」「中新川郡地域連携ITネットワーク」「れんけいネット」「となみ野メディカルネット」の5つがあります。医師や看護師といった医療従事者間で患者データが共有・活用され、患者への適切な情報提供を行うことで診療の質の向上を図っています。医療機関における電子カルテの導入および地域における医療機関相互間のネットワーク化について、個人の医療情報のセキュリティ確保対策なども考慮しながら普及を進めています。平成29年時点で公的病院の91.7%が電子カルテシステムを導入しており、私立病院およびクリニックにおいても導入が拡大しています。このように医療連携体制の充実に努めています。
また全国的に超高齢化社会を迎え、慢性期の医療ニーズが増大していることから、県では、入院医療から在宅医療への切れ目のない医療体制を確保するため、質の高い入退院支援を実施しています。さらに、県在宅医療支援センターを拠点とした在宅医療に取り組む医療・介護従事者の確保、育成にも取り組んでいます。
その他、在宅医療の提供体制における、さまざまな施策を実施しています。
出典: 富山県医療計画
富山県の看護師に対する支援・取り組み
富山県では、今後の高齢化の進展や人口減少に対応するため、看護学生確保の取り組みの強化や、看護師の職場定着支援の充実が求められています。こうした現状を踏まえ、看護師の確保と定着、離職防止、資質の向上を柱にさまざまな施策を展開しています。
例えば、看護師を確保するために、看護師等養成機関に対する支援や、将来富山県内で看護職員として働こうとする看護学生に対して、修学資金を貸与する「富山県修学資金制度」を実施しています。また、県内の公的病院で高校生を対象にした1日看護見学会の開催や、「看護師養成機関共同PRガイドブック」の作成を行い、看護に興味を持つ学生の募集を行っています。加えて、県外に進学した看護学生のUターン促進にも努めています。
その他、看護師の職場定着や離職防止等の推進を行っています。働きやすい職場環境を整備する病院の取り組みや院内保育所の運営に対して支援するとともに、新卒や若手看護師の研修会・交流会を開催し、早期離職防止対策を実施しています。
このように、医療の高度化や多様化する看護需要に対応できるよう、看護師の資質向上を推進し、生き生きと看護師が自分らしく働き続けることができるよう、さまざまな支援・取り組みを行っています。
出典:富山県修学資金制度について
富山県医療計画