看護師として転職を考えたときには、どのような施設がよいのかいろいろと情報収集した上で検討すると思います。ですがある意識調査によると、就職先に関する情報については、約9割の看護師が「十分には手に入らない」と感じているそうです。また8割近くの看護師は、「実際に就職してみると就職前に想像していた環境とはギャップがあった」と答えています。
このことから、転職先について事前に十分な情報収集をすることが、希望通りの施設に入職するためのカギになるということがわかります。今回は、転職における情報収集の方法について、その種類と特徴をご紹介します。それぞれの方法のメリット・デメリットを理解することが、十分かつ効率的な情報収集につながります。
気になる病院や施設について、看護理念や患者さんの特徴を知るためにはホームページを確認するとよいでしょう。自分のやりたい看護とマッチする施設であるかどうかは、ここで判断できると思います。
一方で、ホームページはタイムリーに更新されていない場合もあるため、求人情報について知りたい場合にはあまり参考にならないかもしれません。
ハローワークは各自治体に設置されているため、大規模な求人サイトでは取り扱われていない地域の求人も紹介してもらえる場合があります。しかも求人の紹介だけではなく、雇用保険の手続きなども含む転職活動全般についてアドバイスしてもらえるというメリットも。
一方で、全体的な求人数はあまり多くないかもしれません。そのうえ平日に窓口まで出向く必要がある・求人への応募手続きは全て自分で行わなければならない、といったデメリットが挙げられます。
各都道府県の看護協会が運営するナースセンターでは、求人の紹介や転職に関する相談・復職支援などについて、幅広くサポートしています。また、看護協会は労働環境改善に取り組む団体なので、各施設の職場環境に関する情報をもっており、その施設の働きやすさについて教えてもらえる可能性があります。
さらに、ナースセンターの職員はほとんどが看護師なので、転職する上での悩みや疑問に対して納得できるアドバイスをしてくれるでしょう。ナースセンターを利用するデメリットとしては、求人数があまり多くない場合がある・窓口対応が平日の日中のみ・求人への応募手続きは全て自分で行わなければならない、などが挙げられます。
インターネット上の転職求人サイトでは、豊富な求人情報をいつでもチェックすることができます。また、無料登録をすることでコンサルタントが転職活動全般をサポートしてくれます。コンサルタントは、各施設の雰囲気や人間関係などに関する情報をもっています。
さらに、給与や休暇についても代わりに確認してくれるので、自分ではわかりにくい情報を数多く得ることができるのです。それに加えて、サイト上に掲載されていない非公開求人の紹介や応募手続きの代行、待遇に関する交渉なども請け負ってくれるというメリットがあります。
デメリットを挙げるとしたら、あまりに数多くの転職求人サイトに登録した場合には、それぞれに対応するための労力がかかるかもしれません。
施設の内情に詳しい知人・友人がいる場合には、業務内容や忙しさ・人間関係・休暇の取りやすさなど、入職してみなければわからないような情報を得ることができるかもしれません。この場合には、情報提供者の主観に左右されることを避けるため、事実のみをよく確認するように心掛けるとよいでしょう。
友人・知人から情報収集をすることでのデメリットはあまりありませんが、その紹介で入職するという場合には、職場環境に関する反対意見を言いにくい・退職しにくいなどのデメリットが考えられます。
インターネット上には病院・施設に関する口コミ掲示板があり、看護師による口コミからその施設の内情について知ることができます。患者さんの口コミ掲示板でも、看護や医療の質をうかがい知ることができるでしょう。
注意点としては、口コミ掲示板の内容は個人の主観に基づいたものであるため、鵜呑みにはできないということを理解した上で活用することです。また、口コミが投稿されたときとは状況が変わっていることもあり得ます。そして、内情を知りたい施設に関する口コミ掲示板が存在しない場合もあります。
転職先に関する情報収集では、様々な方法を併用することが有効ですが、“施設に出向き自分の目で見る”に勝ることはないでしょう。施設の担当者に申し込む病院見学では、看護理念や入職後のサポート体制・施設の雰囲気や清潔度・見学者に対する職員の対応などについて知ることができます。希望する部署があればリクエストすると、実際の現場を見学できるかもしれません。
また、担当者を通さず施設に出向いてみることもおすすめします。支障のない範囲で施設内を歩いてみると、患者さんの雰囲気とそれに対する看護師のかかわり方・看護師が忙しそうかどうか・職員は活き活きと働いているか・訪問者への対応はどうかなど、様々なことが見えてきます。
病院見学でその施設のよくない点が見えてしまい、転職の意欲が削がれるという場合もあるかもしれませんが、それはデメリットではなく正しい情報を得て判断できたというメリットだといえるでしょう。
看護師が転職するときに活用できる情報源にはそれぞれの特徴があるので、自分が優先的に知りたいことは何かを明確にした上でうまく活用することをおすすめします。求人内容については、空いた時間に数多く確認したいのであれば転職求人サイト、地域に特化したものを担当者に相談しながら知りたいのであればハローワークやナースセンターが適しているといえます。
施設の理念や患者さんの特徴に関する情報は、ホームページや病院見学で得られるでしょう。人間関係や休暇の取りやすさなどの内情は、転職求人サイトのコンサルタントや友人・知人、看護師の口コミ掲示板などを活用すると見えてきそうです。そして何より、実際に施設に足を運んで雰囲気を感じ取ることが、とても大切です。事前に十分な情報を収集して、希望どおりの転職先に入職されることを願います。
ナース専科 転職は「ナース専科」の会社が運営する、看護師さん専門の転職支援サービスです。
ナース専科の歴史は、1980年に創刊した就職情報誌、看護専門誌から始まりました。現在まで約40年、就職・転職支援・看護知識の発信など3つのサービスを展開しています。 今までも、これからも、看護師の皆さんのどんな悩みにも応える存在でありたい。 ナース専科はそう考えています。
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