深刻な高齢社会で医療・介護のニーズが高まるなか、看護師の求人は多く、転職しやすい職業だと言われています。実際に看護師の転職率は高く、いくつになっても「やりがいのある仕事」「自分に合った職場」を求めて転職する方がいる一方、職場に不満があっても「経験が浅いし…」「もう50代だし…」と転職を諦めてしまう方がいるのも事実です。
今回は、「年代ごとの看護師の転職」をテーマに、年齢や経験に応じた転職活動のコツをご紹介します。
新卒で看護師になった方が、60歳を過ぎた後も定年を延長して働き続ける場合、じつに40年以上もの間看護師として働くことになります。途中、結婚・子育て・親の介護などで看護の仕事から離れたり、まったく別の職業に就くこともあるかもしれませんが、多くの方は看護師の資格を活かしながら仕事を続けるのではないでしょうか。
看護師は資格職・専門職であり、自分の仕事にプライドを持ち、年齢に関係なくより高いスキルやキャリアを求めて転職される方が少なくありません。また、家庭の事情で仕事をペースダウンしながらも、無理のない範囲で働き続ける方もいます。
看護師は慢性的な人手不足であり、健康な体と働く意思があればいつでも転職できる職業ではありますが、転職が成功するかどうかは「年齢」がひとつのポイントになります。
20代の方と50代の方では、人生経験や看護師としてのキャリア、ライフスタイルが異なり、各年代ならではの特徴(強み・弱み)があります。当然、アピールポイントや対策も変わってくるため、「年代に応じた攻略法」を理解し、それぞれの強みを活かしながら転職活動を行う必要があるのです。
20代看護師の転職理由に多いのが、「新卒で入った職場が合わない」「人間関係がつらい」「同期の看護師が転職するのでなんとなく」…といったものです。
20代といえば、看護師としての経験が浅く、社会人としても未熟な部分があります。仕事を覚えるのに必死で、自分がどんな看護をしたいのか、将来のキャリアプランもわからない…という方がほとんどではないでしょうか。そのため、明確な転職理由がなく「なんとなく職場を変えたい」という20代看護師は珍しくありません。
このように、若さゆえの弱みがある一方で、20代ならではの強みもあります。例えば、従来の価値観にとらわれない柔軟な発想力、新たな環境への適応力、充実した気力・体力、知識・技術の吸収力などです。まさに、人として・看護師としての伸びしろが大きく、20代は採用ニーズの高い年代と言えるでしょう。
「専門性を身につけてスペシャリストを目指したい」「幅広い分野で活躍するジェネラリストになりたい」など、具体的なキャリアプランを描いていく年代でもあり、転職の際はこれらの点をアピールすると好印象です。
20代看護師の転職で注意すべき点は、「教育体制の充実した職場」を選ぶことです。新卒や経験年数が浅い方の場合、教育体制が整っていない職場を選んでしまうと、十分な基礎ができないまま経験年数だけ重ねるリスクがあるからです。将来のキャリアに影響することもあるため、「教育体制が整っているか」「看護師として成長できるか」を重視して転職先を探すと良いでしょう。
臨床経験を重ねた30代看護師は、中堅看護師としての成熟や後輩の指導力、キャリアアップを期待される年代です。なかには看護主任・副主任などの役職に就く方もいるでしょう。
やりがいを感じる一方で、プレッシャーや人間関係に悩む時期でもあります。同じ職場で長く働いている方は、仕事のマンネリから「ほかの職場を見てみたい」と感じる方も少なくありません。私生活では結婚・出産を経験し、子育てと仕事の両立に悩む時期でもあります。
豊富な臨床経験を持つ30代看護師は、即戦力としてはもちろん、将来の指導者・管理者候補としての採用ニーズがあります。新たな環境でキャリアアップを目指す方は、これまでの臨床経験や後輩指導の実績を具体的にアピールすると良いでしょう。
家庭との両立を希望する方は、「最初はパートタイムで働き、状況を見ながら勤務時間を増やすことも検討したい」「仕事に慣れるまでは週3日勤務からスタートしたい」など、具体的な希望を伝えることも大切です。また、子育て中の看護師がどれくらいいるか・院内保育の有無・子育てに理解のある職場かどうかもチェックしておきましょう。
40代は豊富な臨床経験を持ち、「ベテラン看護師」と呼ばれる年代です。人としても成熟し、現場の管理者として厚い信頼を得ている方も多いことでしょう。私生活では子育てが一段落し、「パートからフルタイムに戻りたい」「将来の教育費のために収入を増やしたい」など、働き方の転換を考える時期です。
「40代が転職する最後のチャンス」と考える方は多いのですが、同時に「この年齢で転職先が見つかるだろうか?」と不安を感じる方も少なくありません。実際に、求人情報では公にしないものの年齢制限を設けている職場はあり、20代や30代に比べて選択肢が少なくなるのは事実です。
体力や健康面を不安視されるだけでなく、豊富な臨床経験と高い専門性を持つ看護師は、「プライドが高い」「自分のやり方に固執する」「前の職場と比較する」など悪い印象を持たれることがあるからです。すべての人がそうとは限りませんが、面接の際はこれらの点を考慮して、「新たな環境で一から学ばせてもらいたい」という謙虚な姿勢をアピールすると良いでしょう。
50代看護師は、まさに「ベテラン」「熟練」という言葉がピッタリの年代です。 重要なポジションを任されやりがいを感じる一方で、プレッシャーや複雑な人間関係から現状への不満を感じることもあるでしょう。
私生活では子育てが終了し、一人の時間が持てるようになるとともに、親の介護が始まる年代でもあります。年齢による体力低下と健康面の不安が重なり、「いつまで働けるだろうか?」と焦りを感じる方も少なくありません。
50代の転職が40代よりさらに厳しくなるのは間違いありませんが、管理者の経験を評価されて採用されるケースや、無理なく自分のペースで働ける訪問看護やデイサービスに転職する方もいます。収入面では前職よりも減少することを覚悟して、「無理なく働き続けられる職場」を探すことが50代の転職を成功させるコツです。
転職を成功させるための第一歩は、ご自身の現状をしっかりと把握することです。 20代には20代なりの、50代には50代なりの強み・弱みがあり、一人ひとりライフスタイルも異なります。転職活動では、これまで積み重ねた経験・スキル・専門性を活かすのはもちろん、将来のキャリアプラン・ライフスタイル・健康面などを考慮して、自分らしく働ける職場を探すことが大切です。
ナース専科 転職は「ナース専科」の会社が運営する、看護師さん専門の転職支援サービスです。
ナース専科の歴史は、1980年に創刊した就職情報誌、看護専門誌から始まりました。現在まで約40年、就職・転職支援・看護知識の発信など3つのサービスを展開しています。 今までも、これからも、看護師の皆さんのどんな悩みにも応える存在でありたい。 ナース専科はそう考えています。
取り扱い求人は日本全国にわたり、掲載求人は20万件以上で業界最多を誇ります。 キャリアパートナーは地域担当制かつチーム制。地域に根差したリアルな情報を常に共有することで、幅広い視点で求人を提案することが可能です。 また、臨床経験のある看護師も在籍しているため、同じ看護師だからこそわかるリアルな視点もお伝えします。
2005年のサービス開始以降、累計利用者数は100万人。選ばれる理由は「キャリアパートナーの専門性の高さ」にあります。 キャリアパートナーは社会保険や各種手当などの労務知識はもちろん、看護業務などを理解するため、70時間を超える研修プログラムを履修。 豊富な知識から、ひとりひとりが持っているスキルや経験を活かして理想の働き方を実現できる職場をマッチングします。