看護師の離職率は一般的に高い傾…
仕事ができる看護師の共通点。特徴的な行動を取り入れよう
公開日:2023/4/27
最終更新日:2023/12/28
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仕事ができる看護師には計画的な行動やリスク管理、高いコミュニケーションスキルなどの特徴があります。仕事ができないと悩んでいる人は、チームの一員として適切な医療行為や看護ケアを提供するためにも、これらの特徴を理解して業務に取り入れましょう。
仕事ができる看護師の特徴
仕事ができる看護師には共通の特徴があります。以下の7つの特徴を理解し取り入れることで、自分自身の成長や患者さんへのケアの向上にもつながるでしょう。
計画的な行動ができる
仕事ができる看護師は、計画的な行動によって複数の業務を効率的にこなします。病棟業務の場合、1日の行動予定は勤務開始前にある程度組むことが可能です。その日のスケジュールを整理し優先順位をつけ、各業務にかかる時間を逆算して行動することで、時間を無駄なく使うことができるでしょう。
また余裕を持たせたスケジュールを立てることができれば、緊急時の対応を求められた場合にも慌てずにすみます。相反するようですが、日ごろから計画的に行動しているからこそ、緊急時にも優先順位をつけて臨機応変に対応することができるのです。
常にリスクを意識して行動できる
できる看護師は患者の安全を最優先に考え、医療行為には常にリスクが付きものであることを理解しています。新人看護師であっても仕事に慣れた中堅看護師であっても、常に医療ミスやインシデント、急変などの緊急事態が起きることを前提とし対策を立てながら行動することが大切です。
患者さんの課題や変化に気づくことができる
看護師は、患者さんの状況やニーズを把握することで適切なケアを提供します。できる看護師は、様々な患者さんと円滑にコミュニケーションを取れるという特徴があります。
厚生労働省も、看護職員に求められる資質・能力として以下を挙げています。
看護職員には、人に対する深い洞察力や人を対象としたより高度なコミュニケーション能力、さらには人との相互作用の中で学び取っていく力が求められる。
また情報収集の際に過去に遡ってカルテを読み込む看護師も、患者さんの課題や変化に気づきやすいはずです。患者さんの視点を忘れずにこれまでの経過に興味を持って関わることで、より深いニーズに気づくことができるでしょう。
高い学習意欲がある
医療の知識や技術は日進月歩です。看護師は常に新しい情報を取り入れ、スキルを習得しなければなりません。高い学習意欲があるできる看護師には下記のような共通点があります。
- 業務中、帰宅後、休日に数分でも予習・復習をする
- 院内の勉強会やセミナーへ積極的に参加する
- 得た知識やスキルを看護師間で共有し、患者さんへの指導やケアに応用する
他スタッフと円滑にコミュニケーションを取れる
他の看護師や多職種と円滑なコミュニケーションを取ることができる看護師は、相手が知りたいことやしてほしいことをくみ取り実践できる特徴があります。
他スタッフへ感謝や気遣いの声かけ・積極的な挨拶をするだけでも、その後のコミュニケーションの質の向上や協力体制の構築によって、チーム全体の連携が強化されるはずです。
思考を言語化できる
仕事ができる看護師は自分の考えや意見を言語化することに長けています。思考をわかりやすく言語化し共有できると、問題解決や改善策の提案をスムーズに進めることができます。
カンファレンスや申し送りの際に出来事を報告するだけでなく、アセスメントにおける思考過程を自分の言葉で発言できるように意識することで、普段の看護記録や患者さん・家族との関わり方の質も高まるはずです。
業務上のストレスに対応できる
命を預かる看護師の仕事はストレスやプレッシャーの大きい仕事です。仕事ができる看護師は切り替えが上手く、感情の浮き沈みを表に出しません。業務上のストレスを溜め込んでしまったりミスを引きずってしまうと、目の前の業務に集中することができず、患者さんを不安にさせてしまう可能性もあります。
気持ちが塞いでいる時も表には出さず、笑顔で患者さんに接し、忙しい時も穏やかな対応を心がけましょう。また、仕事とプライベートのメリハリをつけ、適度にリフレッシュすることも大切です。
できる看護師から学ぶ仕事術5選
ここでは仕事ができる看護師の仕事から、看護師としてのスキルアップや業務効率化に役立つ方法を紹介します。以下の方法を実践することでチーム全体の業務の効率化にも繋がり、できる看護師に近づくことができるでしょう。
優先順位を明確にする
業務を効率的にこなすためには、まず自分がどの業務にどれくらいの時間がかかっているのかを把握したうえで、重症度や緊急度の高い患者さんのケアや業務をリストアップするなど優先順位をつける必要があります。いつでもイレギュラー発生に対応できるようなスケジュールを組むことも大切です。
優先順位決めは新人研修の課題になるほど看護師にとって重要視されるため、常に意識して取り組みできる看護師を目指しましょう。
業務ごとの目的を理解する
業務の目的を理解しそれに沿った行動をとることで、無駄な時間を減らしより効果的なケアを提供できます。できる看護師は「なぜこの処置をするんですか?」と患者さんや新人看護師に聞かれた時、明確に答えることができるでしょう。
「前の勤務の看護師が創傷処置をしていたから自分もこの処置を日中にやる」という流れで考えるのではなく、1つひとつの処置や看護ケアには意味があることを常に意識することが大切です。
報連相を徹底する
報連相の徹底は情報共有をスムーズにし、チーム全体の働きやすさの向上にも繋がります。また、問題が発生した際にも迅速に対処できるようになるでしょう。特に新人の時は「報告するほどのことではない」と自分の中で完結せず、些細なことでも報連相を怠らない癖をつけましょう。
相談したい先輩が多忙で声をかけにくい場合でも、どのタイミングで声をかけたら良いかを見極めて必ず相談してください。急ぎの場合にはPHSにかけてでも報告しますが、急ぎでない場合は勤務終了間際の申し送りのタイミングで伝えることがほとんどです。
情報を適切に整理する
効率的に業務を遂行するためには、患者さんの情報や業務に関して取ったメモから情報を適切に整理し、必要な時にすぐに引き出せるようにしましょう。メモを取るだけ取ったものの、どこに何が書いてあるかわからない状態では、わざわざ取ったメモを活用することは難しいはずです。
できる看護師は、隙間時間を使って情報の取捨選択をし、必要な情報だけをまとめ直すなど活用できるように工夫しています。メモを取ってから時間が立つと何に関するメモかがわからなくなるため、できるだけ早く整理しましょう。
周囲に仕事を依頼する
適切なタイミングや状況に応じて周囲に仕事を依頼することで業務の負担を分散させ、チーム全体で効率的に仕事を進めることができます。
【事例】Aさん(65歳/脊椎固定術後2日目)朝の清潔ケアラウンドの場面
・リハスタッフに依頼すること:Aさんの離床訓練を優先的に実行
・自分がやるべきこと:離床訓練後の清潔ケア
<リハスタッフのラウンド前に伝えること>
「Aさんの清潔ケアに3番目に入るので、一番最初にリハビリお願いできますか?リハビリのあとは寝かせずベッドサイドに座ってもらっていてください。」
<その後のケアの流れ>
Aさんの清潔ケアに入るときには離床訓練が終了しベッドサイドに腰掛けている状態。看護師側で体位交換したり離床させずに背中の清拭や更衣介助ができ、そのまま創部の観察も可能。
上記のように、自分がやらなければならない業務かどうかを考え直してみることがコツです。仕事ができる看護師であっても、1人では業務は成り立ちません。他のスタッフとの協力は、チームワークの向上や働きやすい環境を整えることにもなるでしょう。
仕事ができない看護師の特徴
改善が必要な点を把握し意識して行動することで、仕事ができる看護師を目指すことができます。ここでは仕事ができない看護師の特徴から、それらを克服する方法について紹介します。
言い訳や責任転嫁をする
仕事ができない看護師は、問題が発生した際に自分の責任を他者に転嫁し、言い訳をする傾向があります。これによりチーム内の信頼が失われ、円滑なコミュニケーションやケア提供が困難になるでしょう。
ミスをごまかすための言い訳や責任転嫁でその場をしのぐことができたとしても、根本的な問題解決にはつながりません。どのようなミスであっても誠実に対応することが自分自身の成長や信頼獲得に繋がります。
確認を怠る
仕事ができない看護師は、気のゆるみや忙しさから6Rのような重要な確認を怠ることが多い傾向にあります。
確認を怠ると、インシデントや最悪の場合には患者さんの安全が脅かされる医療ミスにつながることもあるため、常に当事者意識を持つことが大切です。「何かあった場合の責任は上の人が…」という他責思考や指示待ちの姿勢は避け、どんな状況でも自分の最善を尽くして確認するようにしましょう。
視野が狭い
自分のペースで仕事を進める看護師は視野が狭い傾向にあります。自分の業務だけに集中してしまい、他のスタッフの状況がわからずミスをうまくカバーできなかったり、患者さんのニーズに気づけないなどは、視野が狭く仕事ができない看護師の特徴の1つと言えるでしょう。
視野を広げるために、仕事ができる看護師の行動を観察し真似することから始めてみてください。できる看護師は患者さんやその家族、チームのメンバーなど様々な立場から俯瞰し行動していることに気づくはずです。
また、例えば珍しい症例や処置があった場合には「少ない症例だから」とスルーせず積極的に関わりに行くことで、スキルアップという観点でもより視野を広げることができるでしょう。
気持ちの切り替えができない
仕事ができない看護師は気持ちの切り替えが苦手です。失敗やネガティブな出来事に引きずられることにより、仕事の質が低下し、さらなるミスを招くなどチーム全体に悪影響を及ぼすことがあります。
勤務時は業務に集中し、プライベートでは勉強の時以外は仕事のことを考えずしっかりリフレッシュすることが重要です。
意識できることから取り入れてできる看護師を目指そう
できる看護師の特徴や仕事術を理解し自分の業務に取り入れることで、看護師としてのスキルアップや自信につながります。パーフェクトにこなす姿をイメージするとかえって挫折につながるため、できることから取り入れてみると良いでしょう。
できる看護師を目指すことで自分自身の成長だけでなく、チームとしてもより質の高いケアを生み出すことができます。意識・真似できそうなことから少しずつ取り入れて、1〜3年後にどうなっていたいか想像しながら働くことで、少しずつ理想の看護師像に近づくことができるはずです。
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この記事を書いた人村上舞
- 帝京大学医療技術学部看護学科を卒業後、医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会 整形外科病棟勤務に勤務し、整形・脊椎外科の急性期看護を経験。以降は、循環期病棟、呼吸器内科病棟、回復期病棟で勤務。出産を機に退職し、特養やデイサービス、クリニック、健診センター等など幅広い施設での経験を活かし、ライターとして活動中。