夜勤で先輩に無視されます・・・…
新人看護師1年目あるある!辞めたいは甘え?【辛い】【きつい】【しんどい】どうやって乗り越える?
公開日:2021/9/28
最終更新日:2021/9/28
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看護師は、人の生死に直接関わる職業であり、非常にやりがいのある仕事です。
一方で、その責任の重さから「つらい、辞めたい」と悩むこともあります。とくに看護師になって1年目は、思い描いていた理想とのギャップや、仕事を覚える大変さで日々涙を流している方もいるでしょう。
今回は、「看護師の仕事がつらい」「看護師を辞めたい」と考えている方に向けて、新人看護師が突き当たる壁や、先輩たちはどうやって乗り越えてきたのかをご紹介します。
1年目看護師あるある!「看護師つらい」と感じる瞬間
看護学校や大学を卒業し、新人看護師として働き始めると必ず突き当たる壁が「理想と現実のギャップ」です。
期待と希望に胸を膨らませ、せっかく掴んだ看護師の仕事ですが、思い描いていた理想と現実の差にショックを受ける新人看護師は少なくありません。
この「理想と現実のギャップ」こそ、新人看護師を悩ませる大きな原因であり、ときに離職に追い込まれることもあります。
学生時代とのギャップに悩む!知識・スキル不足がつらい
看護学生時代は優等生でも、いざ臨床で働いてみると「あれ?私、全然できない…」と自信を失うケースは珍しくありません。
多くの新人看護師が、「あんなに看護学校で勉強したのに」「たくさんのレポートを書いて、実習先でもたくさん学んだはずなのにどうして…?」とリアリティショックに悩まされます。
このようなギャップが生じるのは、医療・看護の基礎を幅広く学ぶ学生時代に比べ、現場ではその部署や入院患者の特徴に応じた、より専門的な知識・技術が求められるためです。
また、学生時代の実習では「ひとつの実習場所でひとりの受け持ち患者さん」でしたが、実際に働くと複数の患者さんを受け持つことになります。
バイタルサインチェックをしている最中にナースコールが鳴ったり、受け持ち患者さんの病室に向かう途中でほかの患者さんに声をかけられたりと、いくつも重なる業務に対応できず、自信をなくすこともあるでしょう。
新人看護師とは言え、資格を持ったからには職業人としての自覚が求められます。まだまだ知識やスキルが不足しているのに、患者さんからは「看護師のひとり」として見られるプレッシャーも大きなストレスとなります。
仕事の後も自宅で予習・復習!勉強がつらい
どのような仕事も同じですが、看護師の場合も生涯勉強が必要です。とくに、知識・スキルが不足している新人時代は、日々勉強をしなければ仕事に追いつくことができません。
解剖生理・病態生理・治療薬の作用機序や副作用・症状に応じた看護・処置の手順など、より深い知識がなければ、患者さんを安全に看護することができないのです。
また、多くの現場ではその日の「振り返り」として日誌を書いたり、疾患や看護技術に関する学習レポートの提出を求められたりすることもあるでしょう。
多くの業務を覚えながら、強い緊張感の中で働く新人看護師にとって、仕事の後も予習・復習に追われる日々は「つらい」のひとことに尽きます。
先輩の指導が怖い!人間関係がつらい
新人看護師のもっとも大きな悩みといえば、「先輩看護師との関係」ではないでしょうか?
職場の人間関係は、看護師が離職する原因のひとつでもあります。知識や技術は自分の努力次第でなんとでもなりますが、人間関係となると自分の努力だけで解決するのはむずかしく、職場で怖い先輩・苦手な先輩がいるとそれだけで仕事に行くのがつらくなります。
職場で先輩に叱られる原因としては、「前にも教えたよね?」「まだ◯◯やってないの?」など、知識や技術不足、処置の未実施を指摘されることが多いと思います。
中には、新人看護師の気持ちを汲んだ声かけをしてくれる先輩看護師もいますが、残念ながら全員がそのような優しい先輩ばかりではありません。
配属先の雰囲気や先輩看護師との相性は「運」に左右されることが多く、どうすれば先輩看護師と良好な関係を築けるか…と多くの看護師が悩んでいます。
とにかく忙しい!長時間勤務・夜勤がつらい
看護師の仕事はとにかく多忙です。徐々に受け持ち患者が増え、数ヵ月すると夜勤が始まる職場もあります。
ひとつの処置を行うのにも時間がかかる中で、複数の患者を受け持ち、記録までするとなると「どんなに頑張っても定時に仕事が終わらない」という新人看護師がほとんどです。
スピードを気にしてしまうと安全面が不安になるため、どうしても一つひとつの処置がゆっくりになってしまうのは仕方のないことではありますが、毎日残業が続くと心身ともに疲労がたまります。
また、夜勤が始まると2交代勤務の拘束時間の長さや、3交代の変則勤務(日勤深夜・準夜日勤など)による睡眠不足など、身体的にも精神的にも大きなストレスとなります。
先輩看護師はどうやってつらい時期を乗り越えた?
医療・看護の現場は、人の生命を預かる職場です。新人看護師が経験も少なく知識も技術も未熟であるのは誰もがわかっていますが、仕事に対する姿勢は非常に厳しく評価されます。
仕事の厳しさや責任感の重さを理由に、1年目にして離職する新人看護師は毎年一定数おり、2019年の新卒採用者の離職率は7.8%となっています。
新人看護師の離職率はほぼ横ばい状態で、ここ数年は7%台から減ることがありません。このような厳しい環境の中で、先輩看護師たちはどうやってつらい時期を乗り越えてきたのでしょうか?
とにかく勉強・実践を重ねる!
ひとつは、とにかく勉強・実践を繰り返して、知識・技術を自分のものにすることです。勉強がつらいと感じるのは、自分にまだまだ未熟な部分がある証拠です。
臨床で経験を重ね、看護の全体像が見えてくると、「あれ?ここはどうなってるんだろう」「こういうときはどうすればいいのかな?」と、自ら疑問を持つようになります。
ここまでくると、勉強が「やらされるもの」ではなく、「自分のためにやるもの」へと意識が変わってきます。
さらに、知識や技術が身につくと自信につながります。看護師としての自信を持つことは、楽しく仕事を続けていくために必要な要素です。
先輩や同期の看護師に積極的に相談する
つらいことがあったとき、先輩や同期に相談できていますか?不安や疑問をひとりで抱え込むほどつらいものはありません。
「こんなこと聞いたら迷惑かな」「バカだと思われるかな」と考えず、どんどん相談しましょう。
とくに同期とのつながりは重要で、同じ時期に就職した仲間として、今どんなことに悩んでいるかをぜひ共有しましょう。
「私も同じことで悩んでた」「自分はこうやってるよ」など、同じ悩みを抱えていることがわかり、有益なアドバイスをもらえることもあります。何より、「つらいのは自分だけじゃない」と感じられることが、新人看護師にとっては大きな安心となります。
また、先輩看護師との関係を良好に保つためにも、困っていることは遠慮なく相談しましょう。「わかっていること」「わかっていないこと」を明確にして、勉強をしても理解できないことは先輩に頼ってみるのです。
私自身も経験したことですが、先輩が新人に「イラッ」としてしまう原因のひとつが「意思表示をはっきりしない」ことにあります。曖昧な返事や、何に困っているのかをはっきり伝えられない態度はNGです。もっと自分自身をオープンにして、相手の懐に飛び込むくらいの気持ちで接してみましょう。
体調管理をしっかりと!自分なりの生活パターンをつかむ
長時間労働や変則的な勤務は、看護師である以上、ある程度覚悟しなければなりません。
無駄のない効率的な仕事の進め方を身につけて、定時で退勤できるようになれば一番いいのですが、仕事のスピードが遅い新人時代はむずかしいところです。
長時間労働や不規則な生活リズムで身体を壊さないためには、しっかりと体調管理をすることが大切です。栄養バランスの良い食事を摂り、適度に運動をして、忙しい中でも睡眠時間は十分に確保しましょう。
また、夜勤を始めると「夜勤入りや夜勤明けの時間をどのように過ごすか」が非常に重要で、これによって生活リズムの乱れや体調面に影響が出てきます。なるべく規則的な生活リズムに近づくように、自分なりの生活パターンを確立し、常に万全の健康状態を維持しましょう。
つらすぎるなら休暇や転職もあり
「看護師の仕事がつらい」と感じて、あらゆる対策をとっても精神的ストレスが改善しないようであれば、一旦休職するか、退職・転職を考えるのもひとつの方法です。
職場の雰囲気や先輩看護師との関係など、自分の努力だけでどうにもならないこともあります。そのようなときは、思い切って環境を変えてみると状況が好転することがあります。
休職・退職・転職は、決してつらいことから「逃げる」のではなく、あくまでも「環境を変える」ための手段です。あるいは、自分を休ませるための時間・これからのことをじっくり考えための時間だと割り切ることも大切だと思います。
1年目は誰もが通る道、焦らずゆっくり成長しよう
完璧に見える先輩看護師も、いつも威厳のある看護師長も、みんな最初は「新人看護師」でした。
周りにいる看護師の多くが、新人時代のつらさを乗り越えたからこそ今があると考えれば、「自分もなんとかなるかも」と思えてきませんか?1年目のつらさは誰もが通る道です。焦らずゆっくりと成長しましょう。