ほぼ未経験・・・でも病棟で働き…
看護師に必要な能力は体力・責任感・向上心・精神力・想像力!適性がないと感じた時の解決策
公開日:2021/9/29
最終更新日:2023/11/24
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「看護師として働き始めたものの、自分には看護の仕事が向いていないのでは?」と悩む看護師は少なくありません。
仕事の適性について悩むのは経験の少ない看護師に限ったことではなく、ひと通り看護業務を覚えた3年目以降の看護師も同じです。
今回は、看護師としての適性に悩む看護師さんのために、看護師に向いている人の特徴や自分に合った仕事を見つけるコツなどをお伝えします。
看護師に必要な能力は?適性があるのはどんな人?
看護師は、人の生死に直接向き合う仕事です。生命の危機を救い、病気を克服するお手伝いをすることもあれば、安らかな死に向けた終末期ケアを行うこともあり、非常にやりがいのある仕事です。
一方で、一瞬の気のゆるみや判断ミスが重大な医療事故につながることもあり、「わずかなミスも許されない」という強い緊張感の中で働いているのも事実です。
このようにシビアな環境の中でも、イキイキとやりがいを感じながら働いている看護師は、まさに「看護師に向いている(適性がある)タイプ」と言えるでしょう。彼女たちには、いったいどのような特徴があるのでしょうか?
体力・精神力ともにタフ
看護師になって実感するのは、「看護師は重労働である」ということです。リハビリ病棟や療養病棟では、患者さんの移動やおむつ交換で腰を痛める看護師もいます。手術室や救急救命センターのようなハードな部署だけでなく、一般病棟でも座る時間がほとんどないほど、常に立っているか動いているような状態です。
また、看護は人を相手にする仕事であり、「感情労働」と呼ばれることもあります。患者さんの死やクレーム対応はどの看護師も必ず経験し、スタッフ同士の人間関係で悩むことも多く、精神的に追い詰められる看護師がいるのも事実です。
自分自身の健康を守りながら看護の仕事を続けていくには、体力的・精神的なタフさは非常に重要な要素です。
人と接するのが好き
看護の仕事は、患者さん・利用者さんについて十分把握し、健康状態や必要とする援助を判断して看護を提供することです。
そのため、「この人についてもっと知りたい」という好奇心が重要であり、しっかりとコミュニケーションを取りながら信頼関係を築く必要があります。
人と接することに不安や恐怖心がなく、基本的に「人と関わるのが好き」という人は看護師の適性があると言えるでしょう。
向上心・学ぶ意欲がある
医療・看護・介護の現場で働くためには、専門的な知識・技術はもちろん、それらをアップデートしていくことが大切です。
医療技術や治療薬の開発は日進月歩で、看護・介護技術もより効率的で身体に負担の少ない方法・ケア用品が開発されています。
古い知識のままでいると安全な医療・ケアが提供できず、迷惑がかかるのは患者さんや利用者さんです。常にアンテナを張り最新情報を仕入れ、勉強会に参加するなどして学び続ける姿勢が求められます。
「◯◯の介助が上手になりたい」「より質の高い看護がしたい」「◯◯分野の知識をもっと身につけたい」といった目標や向上心を持っている人は、看護師に向いていると言えるでしょう。
責任感がある
看護師は人の生命に向き合う仕事であり、常に大きな責任感を伴います。看護師の判断や対応によって、患者さん・利用者さんの状態が良くも悪くも変わってしまうことがあるからです。
ほかにも、看護師の何気ないひとことが、患者さんや家族を元気づけたり、逆に深く傷つけたりすることもあります。
安全で確実な医療・看護を提供するためには、スキルを磨くための地道な努力と、自分の行動や言葉に責任を持つ姿勢が大切です。
共感力・想像力がある
健康状態に問題を抱えた患者さんは、症状による苦痛以外にイライラしたり塞ぎ込んだり精神的に不安定な状態にあります。それは患者さんだけでなく、身近にいる家族も同様です。
そのような人々に対して、むやみに励ましたり否定したりするのではなく、「つらいですね」と共感する姿勢や「どうしてこんなことを言うのだろう」「どんな援助を求めているのだろう」と想像する力は非常に重要です。
以上、看護師に向いてる人の特徴を挙げましたが、すべて当てはまる必要はありません。また、これらの要素がもともと備わっている人もいれば、仕事を通して後天的に身につける人もいます。完璧に見える看護師でさえ、すべての要素が備わっているわけでなないのです。
看護師としての適性がないと感じたら?
多くの看護師が、一度や二度は「看護師に向いてないかも…」と悩む時期があります。はたから見れば完璧に見える看護師でさえ、看護の仕事に悩み、葛藤した経験は必ずあるものです。
それでも、「やっぱり私は看護師に向いてない」と感じてしまう方に向けて、次のような解決法をご提案したいと思います。
部署・診療科によって適性は異なる!いろんな分野を経験してみよう
看護師の働く場所は、病院・クリニック・介護施設・訪問看護ステーションなどさまざまです。
さらに、外来・病棟・手術室などの部署、急性期・慢性期・回復期・終末期の病期、外科・内科・産婦人科などの診療科別に、働く場所が細かく分かれています。
これらの複数の部署・診療科を経験してみると、自分に合う・合わない分野が自然とわかってきます。
その仕事に適性があるかどうかは、自身の性格・興味のある分野・業務内容などが深く関係するため、これらの要素がうまくマッチすることが大切です。現在、「看護師の仕事が向いていない」と感じている方は、部署や業務内容があなたにマッチしてないだけかもしれません。
看護師を続けるべきかどうか悩んでいる方は、「働く場所を変える」ことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
自分の性格や得意・不得意を分析しよう
自分に合った場所で働くためには、自分の性格や得意・不得意を知ることが大切です。
外科的な処置介助が得意な方もいれば、じっくりと患者さんの話を聞いて精神的アプローチを得意とする方もいるでしょう。
高齢者とのコミュニケーションが好きな方もいれば、子どもの成長・発達に興味のある方もいます。
このように、「看護の仕事」とひとことに言っても、その範囲・業務内容は多岐にわたります。
自分の興味・得意・不得意をしっかりと分析し、「急性期より慢性期看護のほうが向いているかもしれない」「◯◯科で働いてみたい」など具体的な希望が出てきたら、その分野に飛び込んでみるのもありでしょう。
自分に合った職場でやりがいのある仕事を見つけよう!
あなたが看護師を志した理由は何ですか?「人の役に立つ仕事がしたい」「医療現場で働いてみたい」「手に職をつけたい」などさまざまな理由があると思いますが、せっかく『看護師になる』という目標を実現させたのですから、なるべく楽しくやりがいを持って働きたいものです。
「看護師に向いていない」と悩むのは、看護師になったほぼ全員が通る道です。看護の仕事に誇りとやりがいを感じながら働いている人の多くは、悩みながらも自分の適性に合った職場を見つけた方なのではないかと思います。
「看護師としての適性がない」という悩みを克服するために、まずは「自分に合う分野・職場って何だろう?」と考えることから始めてみてはいかがでしょうか?