看護師は、患者さんの命を守る職…
急性期の看護師を目指すには?仕事内容や適性、やりがいについてお答えします!
公開日:2021/9/24
最終更新日:2023/11/7
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皆さんは急性期の看護が、どのようなお仕事かご存じでしょうか。手術後の患者さんの看護をする?勉強量が多くて大変?自分に適性はある?怖い先輩が多いって聞いたけど…。さまざまなイメージがある急性期の看護のリアルについて見ていきましょう。
目次
そもそも急性期の看護の仕事内容とは?
急性期とは症状が急激に現れる時期、病気になり始めの時期と言われています。よく比較される言葉に回復期と慢性期がありますが、回復期は「急性期から脱し身体機能の回復、社会復帰を目指す期間」、慢性期は「容体が比較的安定しており、治療継続やさらなる回復を目指す期間」と言われています。
急性期を経て回復期、慢性期に移行するイメージですね。具体的な仕事内容について見ていきましょう。
看護師が急性期の現場で果たすべき役割と仕事
急性期の現場では検査や処置、手術が多く実施されています。急性期看護=周手術期看護のイメージがある方も多いと思いますが、それは症状が急激に現れる・病気になり始めの時期に、病気の原因や症状を調べる検査や処置、また手術を行うためです。
したがって、検査や処置で必要とされる診療上の補助をはじめ、術前管理・術後の創部やドレーン・フィジカルアセスメント・疼痛といった周手術期管理における看護を行います。さらに合併症予防や早期離床、精神的ケア等も急性期の主な看護師における役割と言われています。
ひと昔前は、急性期=命を助ける、というイメージもありましたが、現在重要視されているのは「早期離床」の視点です。これは、社会的・医療的観点からも必須の考えとなっています。
医療の変化にともなって病床稼働、回転率の向上、在院日数の短縮のために早期回復がカギとなっています。肺炎の合併症をはじめとする廃用にともなう連鎖的機能低下、二次的合併症予防など、早期離床の視点をもって生命の危機状態を脱する看護が求められています。
急性期で対応する疾患
急性期では病気になり始めの時期ということだけで、特に疾患を限定することはありません。救急を受診しそのまま入院となる患者さんや他の病院、病棟で状態が悪くなり転入となる患者さん等、容体や状況によって対象疾患はそれぞれであり、病院やドクターの専門によって扱う疾患に特色があることも。 共通して言えるのは急性期は身体の恒常性が崩れやすい時期であり、生命の危機状態であること。様々な診療科に関わるため幅広い知識とスキルが必要になります。また生命の危機状態という意味では、心臓血管系および脳卒中系、循環器系の患者さんが多い傾向にあるのは事実です。
急性期ってどんな職場?働きやすい?
容態が変化しやすい患者さんが多いという特徴のため、ベッドの回転や病棟の流れが早く、独特な雰囲気がある急性期の職場。職場環境の特徴や働きやすさ、急性期で働くからこそ得られるメリットやデメリットについて紹介します。
急性期の職場環境の特徴
できる仕事は早めに終わらせて仕事や人員にゆとりをもたせ、急変時に落ち着いて正確かつ迅速な対応を行うことが求められる職場です(実際は、ゆとりのないまま急変の対応を行い、業務に追われることもしばしば)。スタッフは看護スキルが高くサバサバして、てきぱき動く人が多いという特徴もあります。
急性期で働くメリット・デメリット
急性期で働くメリットとしては、下記のようなものがあります。
1)患者さんの回復過程が目に見えてわかり、充実・達成感を感じる
2)幅広い疾患の対応を学ぶことができ、看護のアセスメント力、知識、技術を獲得できる この2点が大きく挙げられます。
急性期の特徴として、医療スタッフの適切な対応に加えて患者さんの生命力が重なると、回復過程も目に見えて早いものになります。回復をダイレクトに感じることができるという点は、急性期の醍醐味とも言え、大きな充実や達成感を得ることにも繋がります。
2点目について、急性期では患者さんの容態が急変しやすいため、スピーディな対応力と柔軟性、正確なアセスメント力、知識、技術が求められます。これは急性期だけでなく、他科でも必要とされることで、急性期で培った知識と技術はどの分野でも大いに活用できます。
もちろんどの診療科で働くにしても、自分の姿勢次第で学べること、吸収できるものは大きく変わってきますが、現状として急性期を経験した看護師は、どこでも働けるというイメージがあります。そして急性期経験者は転職の際に優遇する、重宝される病院があるのも事実です。
また様々な経験とスキルを身につけさせるため、新人さんが配属されやすい部署であるとも言えます。
逆に病棟の流れが早く雰囲気についていけないと感じる人がいることも事実であり、それをデメリットととらえる人もいます。一人の患者さんとゆっくり向き合いたい、長い時間をかけてお付き合いをしたい人にとっては、ストレスとなるかもしれません。
また一刻を争う現場にもなるため、仕事中は厳しく怖い先輩が多いことも。人の命を預かる、責任の大きい部署ゆえの特徴とも言えます。加えて職場の人員体制によっては、急変等により、残業がある職場が多いこともあります。
決められたスケジュールで動くことのできる病棟とは異なり、勤務時間終了間際に急変があると残業になることも珍しくありません。子育て中など、残業が厳しい方にとっては、難しいかもしれません。
急性期で働くために必要な資格・経験はある?適性は?
スピード感のある対応が必要とされる急性期看護の現場。働くために必要な資格・経験や適性について見ていきましょう。
急性期で必要とされる資格・経験
結論から言うと、急性期で絶対に必要とされる資格や経験はありません。もちろん豊富な経験や技術があると即戦力として活躍が期待できるでしょう。しかし、経験においては、数をこなさなければ取得できない技術もあるため、急性期での経験がないことが採用の可否に関わることはありません。
急性期に関連して持っていると役立つ資格としては、危機状況にある患者・家族への早期的介入を行う、救急看護における認定看護師、急性・重症患者看護における専門看護師があります。
専門看護師は大学院修了が必須のため、取得までの道のりは安易ではありませんが、現場での実践のみならず、教育や研究といった広い分野での活躍も期待できます。また職場によって資格手当がつく部署もあるため、興味のある方は取得の検討をおすすめします。
こんな人が向いている!急性期で働く人・性格
看護師としてのスキルや知識をとにかく高めたいという方は、急性期は間違いなくおすすめです。急性期でしか積むことのできない様々な症例や経験は多くあり、今後看護師として働く上での糧となるでしょう。
また急性期で働く人は意欲がある人が多く、そのような人たちの中で働くことは自身の刺激にもなって学びも多くなるので、向上心がある方にもおすすめです。加えて前述のとおり、急性期は流れが早い職場であるため、てきぱきと動ける方が性格的に向いていると言えます。
魅力もやりがいも沢山の急性期看護!あなたも急性期看護の世界へ!
急性期の看護師として働くイメージはできましたか?急性期の看護は患者さんを救うために求められるものは多いのですが、自分自身も大きく成長できる分野とも言えます。興味のある方は、ぜひ急性期看護師への扉を開いてみてはいかがでしょうか。