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認定看護師とは?認定看護師になるには?種類や難易度、費用、メリット・デメリット、更新期間は?
公開日:2021/9/29
最終更新日:2023/11/24
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看護師としてある程度の経験を積むと、さらなるスキルアップやキャリアアップを目指し、「看護についてもっと深く学びたい」と考える看護師さんは多いと思います。その中でも認定看護師資格の人気は高く、2019年の時点で2万人を超える認定看護師が活躍しています。
しかし、認定看護師になるには指定教育機関でのカリキュラムと認定審査をパスする必要があり、仕事と学業の両立や、金銭面が気になる方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、認定看護師の資格取得を目指している方に向けて、資格取得までの流れや費用、2020年度よりスタートする新たな認定看護師制度について詳しく解説します。
看護のプロフェッショナル!認定看護師とは?
看護の専門性やスキルを高めたいと考えたとき、まず検討するのが「認定看護師」の資格です。しかし、認定看護師になるまでの道のりは長く、漠然とした憧れで手に入るほど簡単な資格ではありません。まずは、認定看護師の役割と、2020年度より改定される新たな認定制度について理解しておきましょう。
認定看護師の役割
近年、医療の高度化・専門分化によって看護師に求められる役割が増えてきました。さらに、高齢化に伴う慢性疾患患者の増加や、在宅医療の推進といった背景もあり、急性期から在宅医療まで、より高い水準で看護実践を行う看護師の育成が急務となっています。
認定看護師には、その高い専門性を発揮し、次の3つの役割を果たすことが求められます。
● 個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
● 看護実践を通して看護職に対し指導を行う。(指導)
● 看護職等に対しコンサルテーションを行う。(相談)
*●部分は下記より引用
日本看護協会 専門看護師・認定看護師・認定看護管理者より
https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn
このように、認定看護師の関わりは患者・家族にとどまらず、ともに働く看護師や、地域の医療従事者等も対象としています。認定看護師の活躍は、医療・看護全体の質の向上という点でも非常に期待されているのです。
新制度の改定ポイント
2020年度から、新たな認定看護師制度がスタートします。当面は現行制度と新制度が並行する移行期間を設け、現行の認定看護師教育は2026年度で終了となります(認定審査は2029年度まで実施)。
新制度の改定ポイントは、次の2点です。
● 認定看護師教育に「特定行為研修」が組み込まれる
● 認定看護分野の再編(一部の分野を統合・名称変更)
制度改定の背景には、急速に進む高齢化と、それに伴う医療提供体制の転換があります。従来の病院完結型の医療から、生活・介護予防・在宅医療を重視した地域完結型の医療へとシフトする中で、看護の対象は幅広くなり、より高い水準の知識・技術を求められるようになりました。
時代の変化に対応し、より多くの人々に高水準の看護を提供するため、臨床推論力や病態判断力を強化した「特定行為研修」が組み込まれることになったのです。なお、新制度の認定看護師教育を修了し審査に合格した人は、「特定認定看護師」を名乗ることが可能となります。
新たな認定看護分野は19分野!
認定看護師の資格取得を目指す場合、「どの分野の認定看護師を目指すのか」を決める必要があります。現行の認定看護師制度では21の認定分野が設けられていますが、新制度では一部を統合・名称変更しており、19分野で認定看護師教育が行われることになります。
認定看護師資格を取得するまでの流れ
ここからは、認定看護師の資格取得を目指す際の、具体的な流れについて解説します。
認定看護師になるために必要な条件
看護師として5年以上の実務経験(うち3年以上は希望する認定分野の実務経験)があり、日本看護協会の定める認定看護師教育機関に入学・修了し、認定審査に合格する必要があります。
資格取得までの流れと、気になる費用は?
まずは、日本看護協会の指定する教育機関への入学が必須です。認定教育機関に入学するには、一般的な受験と同様に願書を提出し、入学検定料(5万円)を納付します。試験内容は筆記(専門科目・小論文)と面接があり、合否は試験の約1か月後にホームベージ上で確認できます。
入学後は、eラーニングや集合教育で認定分野のカリキュラムを履修し、筆記試験や臨地実習も行われます。授業時間数は、現行制度で600時間以上(半年〜1年間)、新制度では特定行為研修が含まれるため800時間以上(1年間)となっており、とても片手間では履修できないボリュームです。
受講にかかるお金は、入学金・授業料だけでも軽く100万円を超え、参考書代や交通費を含めるとかなりの出費になります。経済的な負担については、職場の支援制度があるかどうかによって大きく変わりますので、ぜひ確認しておきましょう。
資格取得後も5年ごとに資格の更新が必要
認定教育を修了し審査に合格した後は、認定看護師認定証の交付・登録を行います。さらに、認定看護師は一度資格を取ったら終わりではなく、認定看護師としての活動実績(看護実践や研修の受講など)について5年ごとに審査を受け、資格を更新する必要があります。
認定看護師は転職に有利になる可能性も!計画的に資格取得を目指そう
「看護師として特定の分野を極めたい」「より高い知識・スキルを身につけたい」という方にとって、認定看護師は憧れの資格です。さらに、スキルアップやキャリアアップのために転職をする際にも、認定看護師資格があることで「看護の専門性・スキルが高い」と評価され、有利に働くこともあります。
一方で、認定教育機関の受験・1年間に及ぶ授業・認定審査などのハードルがあり、難易度はやや高めです。認定看護師を本気で目指すのであれば、教育機関・カリキュラムの内容・出願手続きについて早めに調べ、仕事との両立は可能か、授業料はどうするかなど、計画的に準備を進めましょう。