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「大学病院」「総合病院」「派遣」看護師の働き方別のメリット・デメリットは?
公開日:2021/9/29
最終更新日:2023/6/27
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病院で働いたことのある看護師は多いと思います。病院の定義とは20床以上ですが、実際にはその規模はさまざまです。規模によって、病院で働くメリットやデメリットも大きく違ってきます。
ここでは地域の医療を担うような病院と大学病院のメリットとデメリットを紹介しています。また、正社員でなく派遣で働くこともできるので、その点についても触れています。
目次
1. 看護師が総合病院で働くメリットとデメリット
地域の医療を担うような総合病院で看護師として働く場合、どのようなメリットとデメリットが考えられるでしょうか。総合病院の特徴をまとめています。
【メリット】待遇がよく仕事を続けやすい環境にあることが多い
地域の医療を担っているような総合病院は公務員かそれに準ずる待遇であることが多いでしょう。つまり、給料もそこそこあり、休日もきちんと消化できます。
有給休暇については病院や病棟の雰囲気によって、取れたり、取りにくかったり、大きな差があることでしょう。産休や育休の制度も整っているので、結婚してからも、出産後も仕事を続ける看護師が少なくありません。
【メリット】総合的にさまざまな科を学ぶことができ転職にも有利
総合病院で働いたことのある看護師は次にどのようなところでも働きやすいというメリットがあります。
入院患者の入れ替わりも比較的に早いので、業務もそれなりに忙しく、テキパキと仕事をこなす必要があります。病棟には看護助手がいたり、薬剤部、検査部などとも業務の分担が比較的にできているところが多く、看護業務に専念しやすいともいえます。
しかし、大学病院のように研修医がゴロゴロいるわけではありませんから、採血や点滴、簡単な処置は看護師が行うことが多いでしょう。したがって、知識面でも技術面でもバランスのとれた看護師が育ちやすく、転職の際には有利になると考えられます。
【デメリット】希望をする科に配属されるとは限らない
総合病院ですから、さまざまな診療科があるため、抱えている職員も多く、自分の希望する科に配属されるかどうかはわかりません。また、意に反して異動を命じられることもありますし、異動の希望を出しているのに受理されないこともあります。
逆に、病院の規模が小さいと病院のトップや人事と親しくなる機会もあり、比較的に希望を聞いてもらいやすいことも考えられます。
総合病院では直接の上司である看護師長にお願いをしても、その上にも幾つも通過すべきところがあり、人気が高い科になるとなかなか願いがかないません。勉強したいと考えている看護分野の経験ができるかどうかは疑問です。
2. 看護師が大学病院で働くメリットとデメリット
大学病院とは大学の医学部に付属した病院で、総合病院よりも研究や教育を目的にした側面を多く持っています。その特徴がメリットにもなり、デメリットにもなります。
大学病院で看護師として働くメリットとデメリットについて理解しておきましょう。
【メリット】大学病院で看護師として働く最大のメリットは最先端の医療に携われること
大学病院では研究を目的にしていることが多いので、最先端の医療が行われています。最先端の医療を実際に目にすることができたり、看護師として関わることができることが最大のメリットといえます。
最先端の医療に対する知識を身につける必要があるため、常に勉強会が開かれています。看護師としてのキャリアを重視したいと考えている人には喜ばしい機会といえますが、逆にしんどいと感じる看護師もいるでしょう。
【メリット】大学病院の看護師は公務員に準じた待遇
総合病院同様に公務員に準ずる待遇であることが多く、福利厚生や給料の面でも満足することが多いといえます。私立大学についてはあくまで私立ですから、独自に設定をすることができるので、事前に確認することをおすすめします。
【メリット】【デメリット】大学病院では研修医や実習生を多く抱えている
大学病院は医療従事者を教育する機関でもあるので、研修医や学生看護師が多く存在します。その点もまたメリットにもデメリットにもなりえます。
将来的に教育に関与したいと考えている看護師にとっては実習生の面倒を積極的にみることで、そのスキルを磨くことができてメリットでしょう。しかし、そうでない看護師にとっては少々煩わしいと思うかもしれません。
研修医については、それだけ一人の患者さんに差し伸べる手が増えるわけですから、看護師の仕事の負担が減ると考えると、メリットにもとれます。しかし、採血や通常の病院では看護師が行うような簡単な処置も研修医が行うことがほとんどで、そういったスキルを磨くことは難しいというデメリットも生じます。
将来的に転職を視野に入れている看護師は、研修医任せにするのではなく積極的に採血や処置にも関わっておいた方がいいでしょう。採血や点滴などに自信があれば、他の病院では経験できない医療に携わってきたという点が、転職には有利にはたらくことは間違いありません。
3. 派遣看護師で働くメリットとデメリット
看護師が病院で働く場合、必ずしも病院に直接雇用されているというわけではありません。派遣会社を通して病院で働くという方法も存在します。その場合、雇用主は派遣会社になります。
最近、よく見かけるようになった新しい働き方ですが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
【メリット】派遣看護師はプライベートに合わせた働き方が可能
派遣看護師の最大のメリットは自分の都合に合わせて働く時間を選べる点です。派遣看護師の雇用主は派遣会社です。職場で顔を合わす相手ではないので、気を遣うことなく、自分の都合の要望が出せます。
病院の病棟で平日の5時まで、外来で午前中だけ、救急外来の休日だけ、夜勤だけ、ほんの数カ月だけ、など自分のプライベートに合わせた働き方が可能なのです。
【メリット】派遣看護師は残業がなく、時給も高め
派遣会社と契約を結んでいるので、基本的に残業もありません。委員や面倒な係をする必要もないのです。勉強会にも自分が興味のある内容であれば出席すればいいし、必要ないと思えば欠席しても文句をいわれることがありません。
時給で給与が支払われますが、比較的高く時給が設定されています。しかも、雑用を任せられるということもなく、看護師として患者さんを任せられますから、仕事のやりがいは正社員と特に変わらないでしょう。
【メリット】【デメリット】同じ職場で働き続ける保証はない
派遣看護師は契約期間が終了すれば、一旦、白紙の状態に戻ります。契約を続行してくれるケースもたくさんあるようですが、その保証はありません。新しい職員が入ってきたので、再契約はしないといわれると、別の職場を探す必要が出てきます。
逆に、自分が契約の続行を拒否することもできますから、メリットとデメリットの両面があるともいえます。
派遣看護師は即戦力として期待されている
派遣看護師は即戦力として期待されることが多いので、入職時に行われるオリエンテーション的なものが省略されることがあります。看護師の一般的知識や技術は基本的には問題がないと考えられているでしょう。
できるだけ早くに物品の位置を覚えたり、患者さんを覚えたり、病院の流れや仕組みを頭に入れる必要があります。
自分のキャリアに自信があり、早く一人前に働きたい人にとっては良い働き方かもしれません。
4. どこで働くにもメリットとデメリットの両方があります
同じ病院で働くなら待遇が良いとされる地域の医療を担った総合病院や大学病院はねらい目だといわれます。
しかし、それぞれの病院にメリット・デメリットがあるので、自分のライフスタイルや看護師のキャリアに合っているか、よく考えなければいけません。必ずしも正社員で働く必要はなく、派遣看護師という働き方もあります。常勤でなくても、非常勤という働き方もあります。何を優先したいのか、自分の心へ問いかけてみてください。
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この記事を書いた人マーシー
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日本でナースとして働き、長年の夢であったオーストラリア移住を夫婦で果たす。
オーストラリアで3人の子供を出産し、今はライターとして、健康記事や美容記事を中心に執筆活動中。