「今の職場に20年勤務してます…
【看護師の体験談】妊娠報告はいつ頃した?つわりの時期の働き方・今後のキャリアについて
公開日:2021/9/29
最終更新日:2023/11/17
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女性にとって妊娠は、人生の中でも特に大きなイベントの一つ。新しい命を授かったという大きな喜びを感じる一方で、心配になるのが、仕事と妊娠・育児の両立についてです。
看護師の場合は特に仕事の性質上、より様々な不安が出てきます。今回は、看護師が妊娠した時にぜひ知っておいていただきたいことを、実際に妊娠、出産を経験した看護師が自分が体験したことを例に解説します!
いつ誰に妊娠を報告したらいいのか、つわりがひどい時には休めるのか、出産後に復帰するときなど、私自身が不安に思ったこともたくさんあったので、参考にして頂ければ嬉しいです。
妊娠がわかった看護師が不安に感じること
私自身、妊娠がわかった時、嬉しいという感情と同時に、様々な不安で押しつぶされそうになりました。今ではそこまで不安を感じなくても良かったのでは、と思うのですが、その時は初めての妊娠だったこともあり、何もかもわからないことばかりでした。
ここでは、私を含め多くの看護師が妊娠した時に不安に感じること、そして私がどのように対処したかについて、ご紹介します。
いつ看護師長に妊娠報告をするか
市販の妊娠検査薬によって妊娠したことがわかるのは、多くの方が妊娠2か月、妊娠超初期~初期にかけてです。この時期は産科を受診してもまだ胎嚢や心拍確認ができないことが多く、妊娠の確定診断が出ない一方で、つわりが出始める時期でもあります。
つわりが出てくると、症状がひどくなる前にこれからのことについて相談するためにも、師長へ報告したくなります。しかし、まだ妊娠そのものが非常に不安定な時期でもあるので、なるべく安定した時期に報告したいという気持ちも出てきます。
そのため、すぐに師長へ報告するべきか、妊娠が確定したころにするべきか、それとも流産の確率が大幅に減少する安定期に入ってから報告するか、ということに頭を悩ませます。
私の場合は妊娠2か月に入ってすぐにつわりが出始めたため、妊娠が確定した妊娠6週頃に師長へ相談し、勤務を調節してもらいました。当時、師長は常々「勤務の関係もあるので、妊娠がわかったら私にだけはすぐに報告してほしい。」と言っていたので、報告しやすかったというのもありました。
妊娠中は体調も大きく変わることでもあるので、妊娠・出産経験者としては
- 妊娠がわかったら早い段階で師長にだけは報告!
- その後の勤務について調節してもらう!
この2つが自分と赤ちゃんを守るという面でもよいのではないか、と考えています。
つわりによって仕事を休めるか
妊娠によって引き起こされ、多くの人が苦しむのが「つわり」です。動いている分には症状が出ないという方、ある程度制限はあるけれど、食事は食べられる方、食べ物の臭いをかぐだけで嘔気が出る方、食べ物は大丈夫だけど特定の臭いをかぐのがダメな方など、つわりは人により個人差が大きいのが特徴です。
つわりそのものは病気ではありませんので、寝ていればよくなるといったものでもありません。また、つわりの期間も人によって違うため、「つわりによって仕事を休んでもよいものかどうか」と不安になります。
私自身、つわりがかなり重かったため、健診日以外にも受診して、点滴治療などを受けていました。幸い入院するほど重度ではありませんでしたが、医師が重症悪阻と判断した場合には、入院を勧められる他、診断書によって病欠扱いにしてもらうことも可能です。
つわりの症状がわかるのは自分しかいません。無理をすると、かえって周囲の人に迷惑をかけてしまいます。しかも赤ちゃんにもしものことがあった場合、たとえ無理したことが直接関係していなかったとしても、後悔してしまうでしょう。
- つわりがひどい時は無理をしない!
- ひどい時は受診する!
育休を取れるか
妊娠すると、つわりなど体調面への不安の他に、今後に対する不安も出てきます。その一つが、「育休を取れるかどうか」ということです。
育休を取るには、同じ職場に一年以上勤めており、かつ育休終了後も働くという契約を結んでいることが条件となります。しかし、育休が終了した後も働けるかどうか、休みの前の段階では実際にどうなるかはわかりません。
そのため、「育休を取っていいものか」「育休後、本当に復帰できるのか」と不安になります。
特に就職して一年未満の妊娠や、転職してすぐに妊娠がわかった場合など、一年以上同じ職場に勤めていない状態で妊娠すると、職場で育休を認めてもらえないということもあるので、注意が必要です。
私の場合、一年以上勤めており、同じ職場に復帰予定だったので育休を取得する権利はありましたが、やはり「ちゃんと復帰できるのか」という点で不安に感じていました。
そのため、つわりが少し落ち着いてから、子供がいる先輩に育休後の話を聞くようにして、少しずつ育休後の生活について具体的にイメージし、準備することで、不安を解消するよう心がけました。
- 1年以上勤めて復帰する前提なら育休は可能!
- 復帰への不安は子供がいる先輩に育休後の話を聞こう!
- イメージし、準備することで不安を解消!
家族が退職を進めてくる
24時間365日、シフト制の勤務体制であることが多い看護師の職場。家族によっては妊娠をきっかけに「看護師の仕事を続けることは大変だから、子供のために仕事を辞めたら?」と勧めてくる場合があります。
夜勤や子供が休みの時、誰が子供の面倒を見るのか、急な病気になった時、仕事はどうするのか、という点から家族は心配し、退職を勧めてきます。
子供を産む前は、ある程度仕事に自分の生活を合わせることができていましたが、子供ができると、そういうわけにはいきません。私も妊娠がわかってから、家族に退職を勧められました。
家族は辞めるのが一番いいと思っているので、どう説得するか悩み、わかってもらうのが大変でした。私の場合は、なぜ子供を産んだ後も働きたいのかを繰り返し説明し、極力親には頼らずに頑張る旨を伝えることで、それ以上退職を勧められることはなくなりました。
- 働きたい意思をしっかり伝えよう!
- まずは自分が頑張る意思表示をはっきりしておくとスムーズ!
看護師が妊娠の時に辛かったこと
看護師が妊娠によって不安に感じることをいくつか上げましたが、妊娠によって辛い思いをしてしまうケースも、残念ながら少なくありません。私が妊娠している時に経験した辛かったことや、それらへの対処方法をご紹介します。
つわりで辛い中かけられた、まさかの言葉
私は重症とまではいかなかったものの、かなりつわりは重い方でした。食事はほとんど食べることができず、唯一食べられたのはゼリー飲料のみ。毎日ゼリー飲料を病棟の冷蔵庫で冷やしておき、それを少しずつ食べながら、なんとか仕事をしているような状態でした。
身体的に辛かったのですが、全く動けないというわけではないので仕事を休むこともできず、気力をふりしぼりながら仕事をする日々。そんな中、一人の先輩が近寄ってきて「自分が希望して妊娠したんでしょ?つわりぐらいでグダグダしてないで、もっとテキパキ仕事してくれない?」と言われてしまいました。
その先輩は2児のママさんナースで、自分はつわりがほとんどなく、「そんなに動いて大丈夫?」と周囲が心配してしまうほど、妊娠中もよく動いていました。「症状を客観的に示したほうがいいかもしれない」と考えた私は、師長へ事情を話した上で、産科を受診。現在のつわりの状況について診断書を書いてもらいました。
その診断書を元に、師長が私へ仕事を割り振ってもらうようにしたことで、先輩も「この人のつわりはひどいんだ」ということを理解してくれました。そしてそれ以降は「大丈夫?無理せずになんかあったら言ってね」と優しく声をかけてくれるようになりました。
つわりは我慢せず受診をして、職場の人につわりの程度を理解してもらうことも大切です。
- つわりが重い人は受診することで周囲の理解が得やすい!
- 職場の人に症状を伝えよう!
妊娠を報告したら、不妊治療中の先輩と気まずい関係に
私はつわりが重かったこともあり、妊娠初期の段階で師長から同僚へ妊娠の報告をしてもらいました。
しかしその直後から、私への接し方が変わった先輩が一人いました。妊娠報告をした後に知ったのですが、実はその先輩は長年不妊治療をしており、妊娠を発表されたことに対し、祝福したいのにできないという複雑な気持ちになってしまったとのこと。
治療をしていたことを知らなかったとはいえ、気まずい関係は、その後、私が産休に入るまで続きました。復職後は以前と同じように、特に気まずくなることもありませんでしたが、先輩の気持ちを知った後、もっと私から積極的に先輩へアプローチしていれば、気まずい関係を産休入りまで続けることもなかったのかな、と少し後悔しています。
- 変に遠慮をすると気まずい関係のまま産休に突入してしまう
- 時間が解決してくれることもある
産休直前、部長から復帰後の相談を受けちゃって…
産休育休を取るとなると、出産した時期により違いはあるものの、おおよそ1年は職場から離れることとなります。看護師の現場では常に人不足であることが多いので、復帰する時、自分の希望通りの部署へ配属されないというケースも出てきます。
なんとか辛かったつわりも落ち着き、いよいよ産休へのカウントダウンに入ったころ、
突然看護部長から呼ばれ、「復帰後の配属先」について相談を受けました。それまでは自分が希望していた部署で働いており、人間関係も悪くはなかったため、私としては復帰後も同じ部署で働きたいと思っていました。
しかし、看護部長からは「あなたは復帰後には別の部署に行ってほしい」と言われてしまいました。復帰後の部署は人が少なく、忙しいことで知られている部署であり、子育てと仕事を両立できるのか不安でした。
特に復帰直後は子供もまだ小さく、周囲に頼れる人もいないため、病気の時などは私が仕事を休んで対応しなくてはいけません。しかし、その部署では忙しさから子供を理由に仕事を休むことは難しいとのこと。本当にその職場でやっていけるのかという不安を感じたまま産休へ入ることになりました。
その時はわかりませんでしたが、復帰後に感じたのは、職場の事情も育休前後では大きく変わっているということです。産休前にはいいと思っていた職場も、復帰後には状況が変わっていることもあります。
そのため、復帰後の配属先について、産休前には深く考えず、復帰前になって改めて検討するくらいの心持ちのほうが、気分も楽になるかと思います。
- 復帰後は配属が変わる可能性があることを理解しておく!
- 復帰前は不安でも状況が変わっていることはよくある!
- 心配しても仕方がないので復帰前になってから考えよう!
妊娠をきっかけに考えたい、今後のキャリア
妊娠するということは、これから先の生活が大きく変化することを意味しています。妊娠前は自分を中心として、仕事も家庭もある程度調整することができますが、子供がいるとなるとそうはいきません。
そのような時、考えたいのが「看護師としての今後のキャリア」です。
看護師と子育ての両立は可能?
仕事と子育てを両立させることは、並大抵のことではありません。特に人手不足である看護師の職場では、自分の体調不良の時でさえ休みにくいのに、子供を理由にして休むのは、いくら職場が認めていても、職場に対して申し訳なさを感じてしまいます。
看護師としてのキャリアを積むために、看護師は続けていきたいけれど、残業続きで子供のお迎えが遅くなってしまう、世間が休みに入る大型連休でも、仕事が休めるとは限らないなど、看護師としての仕事と子育ての間で悩むことも多くなります。
職場に合わせるのではなく、生活に合わせることも大切
看護師と子育ての両立するためには、「職場が出す条件に対し、自分の都合を合わせる」という方法があります。
具体的には、夜勤に入らなくてはいけないがその間子供を見る人がいないので、24時間保育を行っている保育所へ子供を預けたり、毎日の残業に対応するため、保育園の預かり時間以降は地域のファミリーサポートを利用したりすることなどがあげられます。
しかし、看護師と子育てを両立させるために、必ず職場に自分を合わせなくてはいけない、ということはありません。「自分の妊娠、子育てに対する条件に合う職場を探す」という方法もあるのです。
職場に自分が合わせるのではなく、自分の希望する生活スタイルを壊さない仕事を探すことで、看護師と子育ての両立がしやすくなり、ストレスも大幅に軽減することができます。
転職サイトを使って、自分のキャリアをフルに使おう!
- 「自分の希望に合う職場なんて、本当にあるの?」
- 「実際にそういった職場があるのならいいけど、どうやって探すのかわからない」
という方に、ぜひおすすめなのが転職サイトを使うことです。
転職サイトでは、車で30分以内、24時間院内保育所完備、残業なし、など、自分が「転職先に望むこと」を伝えるだけで、それらの条件にあった看護師の職場をあなたに代わって探してくれます。
実際に気に入った求人が見つかった場合は、今までの職場を退職し、転職できるまで、転職サイトの担当コンサルタントがトータルでサポートしてくれます。しかも、これらのサービスは全て無料。
自分ひとりで条件の合った仕事を探すのは至難の業です。看護師として今後もキャリアを積みたい、でも子育てに支障がない職場で働きたいというような願いも、転職によって叶うかもしれません。周りにも妊娠や出産、子育てをきっかけに、転職をしていった人やしてきた人もいます。
今すぐ転職をするほど焦る必要はないと思いますが、もし子育てをしながら働くことが大変になってきたときには、働き方を生活に合わせるという手段があることを覚えておくといいでしょう。このまま頑張っていけるかという不安に押しつぶされないように、もし厳しくなったら仕事を変えようくらいの気持ちでいることが妊娠したときには肝心だと思います。
まとめ
妊娠がわかったときには色々な不安が出て来ると思います。初めてママになることに対する不安は経産婦でないと中々わかってもらえないでしょう。未知への恐怖や不安も尽きません。だからこそ、いま妊娠がわかったというタイミングの方へお伝えしたいことは、先の悩みは後で考えよう、ということです。妊娠時に復帰の心配をしていても状況次第で大きく変わってしまうため、不安に思っても仕方がありません。
まずは職場に妊娠を伝えるタイミングから考えて、1つずつ順番に不安を解消・軽減するようにしましょう。今解決できない問題は先送りすることが心のバランスを取る上で大事だと私は思います。
元気な赤ちゃんが産まれることを心よりお祈りしています。
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この記事を書いた人りこママ
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看護師、地方糖尿病療養指導士の資格を生かし、2014年よりライター業を開始。
看護系以外にも経験を活かし、育児、病気、介護など、幅広い分野の執筆を手掛けている。
ライター業の傍ら、0歳と1歳の年子、犬二匹、夫(医療従事者)1人の世話にも追われる日々。