看護師として毎日忙しく働いてい…
看護師に向いてない?自信喪失から立ち直る4つの方法!ミスや知識不足信頼回復の仕方
公開日:2021/9/29
最終更新日:2021/9/29
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看護師なら、誰でも一度は「看護師に向いてないかも…」と不安を感じたことがあるのではないでしょうか。このような感情は、高度な知識・技術を必要とする専門職であり、人の命に関わる看護師ならではの悩みといえます。今回は「看護師に向いてないのかもしれない」「看護師を辞めるべきか悩んでいる」という方に向けて、不安や自信喪失から立ち直る方法をお伝えします。
目次
看護師が自信をなくす瞬間とは?
2013年度看護職員労働実態調査(日本医療労働連合会)によると、約2割の看護師が「仕事への適正」に問題を感じているといいます。*1看護師としての自信をなくし、「看護師を辞めたい!」と思い至る背景にはどのようなものがあるのでしょうか?
大きなミスをした
精神的に一番つらいのが、インシデント・アクシデントレベルのミスを起こしたときではないでしょうか。精神的なフォローや再発予防への対策が十分にされず、個人の責任だけが追求されるような職場では、自信喪失から離職につながることもあります。
物覚えが悪く、知識が定着していない
記憶力や知識の定着には個人差があります。間違った知識や曖昧な技術でミスを起こすより、不安があれば何度でも確認すべきですが、「前にも教えたよね?」「まだできないの?」と言われると、萎縮して自信をなくしてしまいます。
テキパキと動けない
新人看護師や長いブランクから復帰した看護師に多い悩みです。何事もはじめのうちは時間がかかりますし、要領の良し悪しは個人差があり仕方のないことです。しかし、他人と自分を比べて落ち込み、自信をなくす人が少なくありません。
これら3つのパターンは、新人看護師や中途採用者に多い悩みです。次に、経験2年目以降で、職場での役割が増え始めた看護師に多い3つのパターンを見てみましょう。
リーダーシップが発揮できない
リーダー業務を行うようになると、「リーダーシップが発揮できない」という悩みが出てきます。「常にリーダーとしての判断・指示を求められてつらい」「人に頼めず、結局自分でやってしまう」など、業務の采配ができない、スタッフへの遠慮がストレスとなります。
他職種とのコミュニケーションが苦手
経験2年目以降になると、カンファレンスなどでチーム医療に参加する機会が多くなります。チーム医療を行う上で、他職種との関わりは避けて通れません。なかには他職種というだけで厳しい目線を向けてくる人もいますので、看護師としてのプライドを傷つけられ自信喪失…ということがあります。
すべてが中途半端で、達成感がない
経験年数が上がるにつれて、委員会や係活動など、日常業務以外の仕事が増えてきます。多忙な状態が続くと、あらゆることが中途半端で達成感が得られず、自信喪失につながります。
「自分はダメだ」と感じたら…自信を取り戻すために取り組む4つのこと
では、看護師として自信をなくしたとき、どのように乗り越えれば良いのでしょうか?
信頼できる人に相談する
もっとも大切なことは、一人で悩みを抱え込まないことです。職場での問題は、現場の状況を理解している上司や同僚に相談できれば一番良いのですが、むずかしい場合は家族や友人など信頼できる人に悩みを打ち明けてみましょう。具体的な解決策が見いだせなくても、話を聞いてもらうだけで随分と気分が晴れるものです。もし職場に相談窓口があれば、そちらで専門家に相談するのも良いでしょう。
休息・レクリエーション・リラックスで心を休める
ストレス対処法としては、十分な休息を取ること・趣味や娯楽の時間を持つこと・心身ともに安らげるリラクゼーションを取り入れることなどがあります。仕事の予習・復習や、ミスの振り返りも大切ですが、まずは心と体を癒やすことを優先しましょう。
健康的な生活習慣
自信をなくし、気分が落ち込んでいるときこそ、普段の生活を大切にしましょう。決まった時間に起きる、食事をしっかり摂る、適度な運動をする、十分な睡眠を取るなど当たり前のことを規則正しく行うことで、自律神経が整いメンタルヘルスにも良い影響を及ぼします。
ストレスを跳ね返す力(レジリエンス)を鍛える
レジリエンスとは「回復力」「復元力」とも呼ばれ、ストレスやプレッシャーを跳ね返す精神的強さ・しなやかさを指す言葉です。このレジリエンスの考え方を取り入れることで、失った自信を回復するだけでなく、ストレスに強い「折れにくい心」を育むことができます。
レジリエンスを鍛える要素は5つあります。*2
【レジリエンス】定義と意味についてのわかりやすい解説より引用 *2
- 自尊感情:自身の存在を肯定的に捉える「自己肯定感」は、レジリエンスの基礎となります。
- 自己効力感:直面している問題に対して、「自分なら大丈夫」「きっと乗り越えられる」と信じる力です。
- 感情コントロール:感情的にならず、物事を冷静かつ柔軟に捉える力です。
- 人間関係:信頼できる人の存在は心強いものです。困難にぶつかったとき、話を聞いてくれる人がたった一人いるだけで心が前向きになります。
- 楽観性:反省や後悔の念にとらわれず、「なんとかなるさ」「乗り越えられない壁はない」と前向きに考えられる、おおらかな心が大切です。
あなたには、今どれくらいのレジリエンスがあるでしょうか?「自分はここが弱いな」と感じる部分があれば、そこを鍛えることでストレスに強い心を育むことができます。
「看護師を辞めよう」と決断する前に
看護師の仕事に限らず、あらゆる職業は理想と現実のギャップ、仕事の向き・不向きなど実際に働いてみないと分からないものです。晴れて看護師になったものの「看護師に向いてない」と感じ、仕事を続けることが不安な方は、ひとまず立ち止まってみましょう。今あるストレスに対処し、メンタルヘルスを保つことが最優先です。
また、今の職場があなたに合っていないだけで、職場を変えることで自信を取り戻すケースもあります。「看護師を辞める」と決断する前に、働く場所を変えることも検討してみましょう。
【引用元】
*1:「2013年度看護職員労働実態調査」結果(PDF) – 日本医療労働組合連合会
*2:【レジリエンス】定義と意味についてのわかりやすい解説
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この記事を書いた人遠藤愛(えんどうあい)
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関東の病院で外科・内科・地域包括ケア病棟、地域連携室に勤務。
その後、介護施設、訪問看護に従事。看護学校での外科看護臨時講師の経験あり。